正解のない問題を解くための力

正解のない問題を解く力=「概念化力」を育んでいく上でのサプリメント的なブログです

フレームワーク

定着を期待するなら、プロセスよりもサイクルを意識しよう

業務改革には「プロセス」の議論は欠かせません。 これは、プロジェクトマネジメントプロセスの改革に取り組んでいたときの話です。 お客様が書き上げたのは、緻密なマネジメントプロセスの山でした。パワーポイントのスライド上に表現されたプロセスマップ…

煩雑なままで複雑なルールを制定したところで定着できるはずがない(まずは煩雑さを解消し、次にシンプルなルールで秩序を生み出そう)

「なんとゴチャゴチャした組織なのか」 議論を繰り返すたびに、私はうんざりしていました。あちらを立てればこちらが立たず、どんな仕組みにすればいいのか、途方に暮れていました。 私が直面していた組織は極めて複雑でした。世界数十か国に支社をもち、扱…

計画は概念化だ 計画が苦手な人は計画をボトムアップでしか考えていない

事業計画やプロジェクト計画など、ビジネスの場にはさまざまな種類の計画があります。私は、ビジネス行動には「計画」か「実行」かのいずれかしかないと割り切って考えています。たとえば提案書を作成する際のキーメッセージの決定、シナリオ作成、スライド…

共感のためのポイント2 共感のストーリーを組み立てるためのテクニック

共感は、相手を理解することから始まります。 相手を理解する際のコツに関しては、以前に「6つの視点」を取り上げてすでに説明しました。6つの視点それぞれにどのような働きかけが効果的なのかを整理して締めくくりましたが、まずは、その内容を復習すること…

共感のためのポイント(1) 相手を理解するための6つの視点

ビジネスの現場では、どれだけ仲間を増やすことができたか、どれだけ多くの人に当事者意識を芽生えさせることができたかが大事です。 そのためには共感力が欠かせません。最終的には共感力が勝敗を左右した、そんなシーンを私は何度も見てきましたし、体験も…

概念の議論から実行計画に移るところのシフトチェンジが難しい

これまでは概念化と共感の話をしてきましたが、今回は「概念化の後」について考えます。 概念化のプロセスとは、キーワードを拾い集め、概念モデルを作り、全体を俯瞰することでした。その結果、私たちは何を手に入れることができるのでしょう。 私が概念化…

ネタ帳にアイディアを残す癖が、苦しいあなたにブレイクスルーをもたらす

アイディアは、所かまわず浮かんできます。 なにも、机に向かっているときばかりとは限りません。私の場合は湯船につかっているときや電車で吊革につかまっているときなどが多い気がします。 そんな時にこわいのは、せっかくのアイディアを忘れて思い出せな…

モチベーションを考慮すれば目標管理に工夫が生まれる

前回、欧米企業と日本企業では目標設定の方法が異なることをお話しました。そこで今回は、目標管理の違いについて話をしましょう。 欧米企業では、通常、以下のような流れで目標を管理し、人を評価します。 事業戦略の遂行を前提に、人的リソースを複数の機…

目標は”決める”のではなく”決まる”ものであり、目標達成の手段は”積み上がる”のではなく”積み上げる”ものである(2)

前回、目標設定はトップダウン型が基本である、という話をしました。 ところが、仕事の現場ではこんな話をよく耳にします。 「上が勝手に決めた数字なんて達成できやしないよ」 このような会社では、往々にして2つの目標が設定されます。 1つはトップダウ…

目標は”決める”のではなく”決まる”ものであり、目標達成の手段は”積み上がる”のではなく”積み上げる”ものである(1)

今回は、目標設定について考えましょう。 残念ながら、目標設定がうまくいっている組織を私はあまり見かけません。目標設定はいまだに関心の高いテーマのひとつですが、それは、うまくいっていないことを自覚している人が多いことの現れでしょう。 目標設定…

エキサイティングなアイディアは共感の後に生まれる

大きな仕事を成し遂げるには、ステークホルダーとの合意形成が不可欠です。 そのためには「共感」が必要であり、共感とは「自分が創り上げた概念を相手の中に移植する作業」であることは、以前にお話しました。 共感できれば、その相手と同じ土俵で話ができ…

構造化手法を整理する(2)本質を見抜くための手法を整理する

正解のない問題を解くには、本質を見抜く必要があります。そしてこれまで、本質を見抜くために必要となる、以下のような概念化の手法を紹介してきました。 [これまでに紹介してきた概念化の手法] キーワードを洗い出す 概念モデルを組み立てる 概念モデル…

正しく決める事よりも、適切なタイミングに決めることのほうが大切だ(たとえ間違えていたとしても、決めなかったよりはいい結果が出るものだ)

「正解のない問題」を解くには「決め」が大切なことを、前回は説明しました。 そこで今回は、「いつ決めればいいか」について考えます。 「決め」のタイミングは「どう決めるか」と同じくらいの難しい問題です。そこで、先ずはキーワードをいくつか挙げてみ…

自分なりの「決め方」を持ちなさい

責任ある地位に就くと、毎日のように「正解のない問題」に直面します。 事業計画や商品企画の立案、顧客への提案、プロジェクトマネジメントなどはその典型です。ではなぜ、「正解のない問題」を解くのは難しいのでしょうか。 私は、2つの理由があると思いま…

概念化性能を決めるのは、具体的な例を列挙するスピードだ

概念化の能力(=概念化力)はビジネスには欠かせません。デキるビジネスマンは具体と概念の両面から考えることで、ビジネスを成功へと導きます。 とはいえ、人によって概念化力に違いはあります。この違いを決定づける要因とは、いったい何なのでしょう。 …

現場の意見をバインドしただけの事業計画に将来は感じない

「トップダウンか、ボトムアップか」は何かにつけ議論になります。 「欧米型はトップダウンで日本型はボトムアップ」とよく言われますが、この意見には、日本企業にも外資系企業にも勤めたことのある私も異論はありません。ただし、取り扱いには注意が必要で…

構造化手法を整理する(1) 概念化の流れを考える

ここまでは、概念化にまつわるあれこれを徒然にお話してきました。 このあたりで、改めて、概念化の流れを整理しておきましょう。 概念化ではまず、全体を俯瞰します。「概念モデル」がその全体像に当たります。 概念モデルは、対象の要素をシンプルに構造化…

「正しいことを言えば理解してくれる」は間違い

「正しいことを言っているのに、皆が理解してくれない」 口に出して言わないものの、心の中でそう思っている人は多いはずです。特に技術者のように「正解のある問題」を解くことに慣れている人は、兎角、そのように思いがちです。 しかし、仕事を前に進める…

概念モデルは、具体と概念の両面から考える上で有効なツール

正解のない問題を解くには、具体と概念の両面から考える方法を身に付けなければなりません。今回は、そのためのヒントについてお話しましょう。 繰り返しになりますが、代表的な構造化のパターンにはツリー型、マトリックス型、フロー型の3つがあることをお…

具体と概念の両面から考えることが、結果につながる

対象に対する理解を深める上で、物事を軸の両面から捉えることは有効です。 トップダウン vs ボトムアップ 先進 vs 実用 能動 vs 受動 その際、数ある軸の中から最も適したものを選ぶことになりますが、正解のない問題を解く上で特に重要なのが「具体 vs 概…

キーワードを見つけたら、連想ゲームで増やせ

以前も取り上げたように、関連するキーワードを拾い上げることは、概念化の第一歩です。 今回は、キーワードの拾い上げについて、もう少し話をしましょう。 皆さんは連想ゲームというテレビ番組をご存知でしょうか。 1969年4月から1991年3月までNHK総合テレ…

構造化することで、正解のない問題を解いてみる(2) 3つの基本形の活用方法は?

以前の演習(構造化することで、正解のない問題を解いてみる(1)「正しい分類方法とは?」)では、構造化の基本である「分類」について、自動販売機の飲料を例に使いながら考えてみました。 今回は、「構造化の基本形」の使い方を、実際の例で学んでいきま…

相手を動かすのは共感! その共感も概念化が鍵となる

多くの人が気付いているように、ビジネスの現場では、正しい意見が通るとは限りません。 それどころか、あなたの意図を汲んでもらえず、トンチンカンな反応をされることもあるのではないでしょうか。その結果、あなたの提案に相手は動いてくれず、狙った効果…

枠組みを思い描いて、散在するキーワードを見つけ出せ

前回、概念化の最初のステップは「キーワードを拾い出す」こと、そして拾い出す際のヒントをご紹介しました。 しかし実際にやってみると、これらのヒントを頭に入れて、キーワードを拾い出すのはそれほど簡単ではありません。すでに「拾い出し」にチャレンジ…

考えがまとまらない、そんなときはキーワードに着目しよう

構造化は、ビジネスの現場で非常に有用なツールです。 しかし、慣れていないと、どこから手を付ければいいかがわからない方も多いようです。そんなときは、どうすればいいでしょう。 私は、まずは「キーワードを拾い出してみる」ことをお勧めしています。 キ…

空転し続ける議論を前に進めるためのスキルとは

ビジネスの現場では、ときに結論の出ない議論が延々と繰り返される場面に出くわします。 こうした議論の特徴は、毎回、少しずつ違う着眼点から意見が出され、これまでの議論がなかったかのように話が堂々巡りする点にあります。 その原因は、以下の3つです。…

構造化することで、正解のない問題を解いてみる(1) 正しい分類方法とは?

今回はちょっと趣向を変えて、実際に、ある対象を「構造化」してみましょう。 運動やモノづくりに技術があるように、構造化にも「構造化の技術」があります。 これはとても重要なことです。「技術」が存在するのであれば、訓練によって身に付けられるからで…