正解のない問題を解くための力

正解のない問題を解く力=「概念化力」を育んでいく上でのサプリメント的なブログです

正しく決める事よりも、適切なタイミングに決めることのほうが大切だ(たとえ間違えていたとしても、決めなかったよりはいい結果が出るものだ)

「正解のない問題」を解くには「決め」が大切なことを、前回は説明しました。

そこで今回は、「いつ決めればいいか」について考えます。

 

「決め」のタイミングは「どう決めるか」と同じくらいの難しい問題です。そこで、先ずはキーワードをいくつか挙げてみましょう。

 

   残された時間

   「決め」の影響度

   集まっている情報の質と量

 

残された時間があとわずかなら、すぐにでも決めなければなりません。

ただし、これは残された時間が明らかな場合です。残された時間がはっきりしないことなど、ビジネスの世界では当たり前のように起こります。

 

決めたことの影響が大きければ大きいほど、「決め」は難しくなります。

先延ばししてリスクを減らせるわけではないのですが、影響が大きいほど勇気が必要です。

 

集まっている情報は多ければ多いほどいいのですが、いくら情報を集めたところで「これで大丈夫」とはいきません。正解のない問題には明確な解法がないからです。

「しばらく待てば、さらに情報が集まるのではないか」などと考えると、到底、決められません。

 

結局のところ、自分が納得のいくタイミングで決めるしかありません。

いつ決めるかは、どう決めるかと同じく、決める人自身の問題です。例えば、私はこう考えるようにしています。

 

1.      どのタイミングで決めるのが一番いいのか、そのタイミングを決める

2.      決めるタイミングまでに手に入れたい情報を決める

3.      タイミングが来た時点で、必ず決める

 

このうち「1」と「2」は“原則”であって、なかなかこの通りにはいきません。実際には「○月○○日に決める」(日付優先で、手に入った情報の質や量には最終的には影響されない)と「□□の情報が手に入った時点で決める」(状況優先で、最終的に日付では決めない)のどちらを優先するかは、決めた後に続く内容や「決め」の影響を勘案しながら、臨機応変に対応しています。

 

これに加えて、私は「決めるまでのシナリオ」を想定します。シナリオができれば、手に入れたい情報は必然的に決まり、日付と情報(=状況)のバランスを取りやすくなるからです。

 

そして、必ず守っているのは「3」です。タイミングがきた時点で「決め」を先延ばししません。なぜなら、以下のような信念を持っているからです。

 

「思い込みであったとしても、決めないよりは決めたほうがマシだ」

 

私はコンサルタントとして、さまざまな「決め」の場に立ち会ってきました。

急いで決めた内容が必ずしも正しいわけではありません。しかし、たとえ決めが間違いでも、取り返しのつかないケースはほとんどありませんでした。決めた後の管理体制や状況把握の方法がずさんでピンチに追い込まれたことはありますが、それは仕組みや管理体制の問題であって、決めたことが問題だったとは考えていません。

 

ところが、決めなかった場合には、決めなかった期間分だけ、ビジネスは確実に遅れます。それによってタイミングを逸し、結果を出せなかった人たちを私はたくさん見てきました。そればかりか、精神的にも、人間関係的にも、大きな傷跡が残ることがよくありました。

そんな時でも、決めなかった当の本人はこう言い放ちます。

 

「意思決定できるだけの情報がなかったから、こんな結果になったのだ」

 

情報が十分に集まった時点での意思決定であれば、誰にだってできます。

ビジネスの現場では、十分な情報が揃うことなど、まず期待できません。

だからこそ、意思決定を任されている人は、リスクをとって決めることで存在感を示すべきなのです。そのための高い給料なのだと、私は思います。

 

 

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