正解のない問題を解くための力

正解のない問題を解く力=「概念化力」を育んでいく上でのサプリメント的なブログです

枠組みを思い描いて、散在するキーワードを見つけ出せ

前回、概念化の最初のステップは「キーワードを拾い出す」こと、そして拾い出す際のヒントをご紹介しました。

しかし実際にやってみると、これらのヒントを頭に入れて、キーワードを拾い出すのはそれほど簡単ではありません。すでに「拾い出し」にチャレンジしたという人もいらっしゃるでしょう。

 

そこで今回は、キーワードを拾い出す上で使える考え方をご紹介します。

それは、「適用する枠組みの基本形を先に決めて、その枠組みの軸や要素に当てはまるキーワードを拾う」ことです。つまり、枠組みからキーワードを逆算するのです。

 

枠組みの基本形は、以前にもお話したことのある以下の3つです。どれが最も適切かを選ぶだけなので比較的容易です。

 

   ツリー型(階層構造)

   マトリックス型(二次元表構造)

   フロー型(矢印連結構造)

 

前回紹介した「拾い出し」のヒントに基づいてキーワードを拾うのには、一定以上の経験が必要です。しかしこのやり方なら、多くの人がすぐに使いこなせるはずです。

 

枠組みには「軸」が存在します。軸とは、枠組みに沿って要素を整理するためのルールです。

この軸に関連する言葉もキーワードの候補となります。

ツリー型では階層構造に展開する際の展開理由、マトリックス型ではマトリックスを構成する縦軸と横軸、フロー型では矢印の上を流れるものが「軸」です。

 

またキーワードの拾い出しには、ビジネスフレームワークも利用できます。

例えば、『ビジネスモデル・ジェネレーション』(翔泳社)で紹介されている「ビジネスモデルキャンバス」からは、キーワードを拾う上での以下のようなヒントが得られます。

 

   顧客の洗い出しや分類、選定などに影響する(した)

   提供価値の洗い出しや選定などに影響する(した)

   チャネルの洗い出しや分類、選定などに影響する(した)

   顧客との関係の定義に影響する(した)

   収益モデルの定義に影響する(した)

   コストモデルの定義に影響する(した)

   キーリソースの選定に影響する(した)

   キーアクティビティの選定に影響する(した)

   パートナーの洗い出しや分類、キーパートナーの選定などに影響する(した)

 

 

前回の「イノベーションの解」でも、マトリックスの枠組みを使ってキーワードを抽出してみました。拾い出されたキーワードが前回とは異なっていますが、これは、枠組みを使うことで目的意識がさらに明確になった結果ととらえることができます。

 

              競争基盤                 [機能、性能、価格、使い勝手]、

                                                        [カスタマイゼーション、利便性]

              アーキテクチャ       相互依存型、モジュール型

              市場                        上位市場、下位市場、新市場(無消費から消費へ)

              顧客の判断              十分、不十分、過剰

              企業の打ち手          明け渡し、成長主導型、防衛型、自律型組織の組織化

              企業の着眼点          顧客の「用事」、モチベーションの非対称性、技量

 

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