正解のない問題を解くための力

正解のない問題を解く力=「概念化力」を育んでいく上でのサプリメント的なブログです

一度も考えたことのないテーマでは、他人の意見を鵜呑みにするしかない

前回に引き続き今回も、「役割分担」に潜む落とし穴について考えましょう。

 

以前にも取り上げたテーマですが、改めて考えてみてください。

皆さんは、他人が作成した成果物をいきなり見せられて、それに気の利いたコメントができるでしょうか。

例えば「次回までにそれぞれの担当分野について、パワポのスライド3枚程度にまとめてくるように」として役割分担した場合、パワポを見せられた他のメンバーは的確にコメントできるでしょうか。

その分野についての経験や知識がなければ、おそらく難しいはずです。

 

皆さんも経験があると思いますが、自分が考えたり経験したりしたことのない分野の成果物を見ても、その良し悪しは判断できません。つまり、他の参加メンバーの成果物を補足したり、批評したり、ひいては議論を深めたりできないわけです。

その結果、この進め方では、全員が他のメンバーの意見を鵜呑みすることになります。

 

そもそも、他人の担当分野について意見を言うには、何らかの思考ロジックが必要です。思考ロジックとは、考えを組み立てるための道筋や情報のつながりのことです。思考ロジックを描くことで着眼点が生まれ、考え方の軸が形成されます。これが、以前にもお話した「枠組み」です。

 

人は、ある未知のテーマについて考えるとき、自分なりの思考ロジックを頭に描きます。そして、そこに新たな情報が加わったとき、その思考ロジックに情報を当てはめようとします。こうすることで、バラバラだった事象がシナプスで結び付けられ、思考が広がるからです。

これが、新たな価値を生み出すことにつながります。

 

これまで紹介してきたようなケースで言うなら、議論を通じて全員で全体像を共有したあとに、各人が自分なりの思考ロジックで全体像をまとめ上げる機会を設けたほうがいいでしょう。いったん納得したはずの全体像を、改めてまとめでみるのです。

その上で役割分担すれば、持ち寄った成果物を全員でレビューするときも、それぞれが的確にコメントできるはずです。

 

大きな仕事に直面したら、納期が気になり、いきなり役割分担したくなるのもわかりますが、それでは、関係者の間に相乗効果は生まれないのです。

 

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